Best Friend → Best Partner

他の記憶は朧げ……と言うより殆どないに等しいのに、これだけは妙に確りと記憶している。

出会いは4歳の、オレの誕生日

「誕生日おめでとうアイオリア。兄さんからのプレゼント、新しいお友達だ」

そう言って兄さんは、抱っこしていた小さな子供をオレの真正面に下ろした。
とても綺麗な金髪のくるくるの巻毛にくりっとした薄青色の大きな瞳が印象的なとても可愛い子で、その金色の頭の天辺には真っ赤なリボンがくっつけられていた。

「この子の名前はミロ。お前と同い年で、蠍座スコーピオンの黄金聖闘士になる予定だ。ついこの間聖域に来たばかりでまだ友達がいないんだ、仲良くしてやってくれ」

今にして思えば、オレとミロが仲良くなれば指導役の自分が楽だからという理由で誕生日にかこつけてミロをオレのところに連れてたんだろうけど、当時のオレはそんな兄さんの思惑というか企みに気づくわけもなく――。
大きな瞳をまん丸くしてオレのことを凝視してたミロをオレもしばらく凝視して、開口一番こんなことを尋ねた。

「……おんなのこ?」

問われたミロはぷくっと頬を膨らませ、オレに向かって声を張り上げた。

「おとこのこだもん!」


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